理を持ってplanning
駅から近くにある土地は第一種低層専用住宅地域と言うのは滅多になく、大規模建築が可能な用途地域になっていることが多いので、日当たりが悪い敷地が結構多いのです。
そういうところの設計はひと工夫が必要です。
理詰めでやらなきゃればいけません。
収納計画、動線計画も理詰めで全部やりますが、日照計画、通風計画も理詰めでやります。
不動産の物件のご案内で中古住宅をしばしば見に行きますが、あまり理詰めでやってないことが結構多くて、もう少し設計する人は一工夫して欲しいなといつも思います。
設計は感性だとか言われる方もいますが、それは違うと思います。
お日様は決まったところを通ります、空気は行き止まりでは流れませんが、行く道ができていれば流れます。
洋服のサイズも厚みがあり幅がある。
人がすれ違う幅は何センチ以上あれば大丈夫と言うものがあります。
すべて理詰めです。
建物には横幅、奥行き、高さ、そこに色、形がミックスしてできていきます。
物にはすべて寸法があり、色があり、形がある。
それを組み合わせる力量は感性ではなく技術です。
その人だけにマッチした家があるはず。
その人の暮らしを知らないと設計はできません。そ
れはその人の使い方が人それぞれと言うことであって、基本の理詰めの考えがベースで拡大するか縮小するかの選択をしていくだけだと思っています。
光を入れる工夫の出発は太陽光の角度です。
夏は要らない陽射しも冬はたっぷりと欲しいですよね。太陽の角度はこんな風です。地域によって異なります。名古屋は微妙に違いますが、ほぼこの角度。
これに基づいてplanを考えると・・・
南側に三階建てが建っている場合は、このような設計の一工夫が必要と言うことになります。
上から降り注ぐ陽射しを漆喰で乱反射させて階下に落とす。漆喰はこんな効果も甚大です。
吹抜けの窓は開放できるようなものにすると、夏の熱はここから逃げていきます。
理詰めだけど、素材のことも併せて検討するとなると意匠とその効果もミックスさせるので、理詰めではない部分が出てきますが、こういうところが建築設計の醍醐味だと思います。
高級な素材を使えばいい、電気を使って人工的にやればいい、という前に自然の恵みを活かすパッシブな設計をしていきたいです。